漢方養生うらら香

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コラム

文旦の薬膳と春の養生

高知を旅したとき、はじめて「文旦」を食べました。
訪れたのは、高知市の日曜市。

大きな透明ビニール袋に、文旦がごろごろと入っていて、
その素朴で力強い光景がとても印象的でした。

そこで出会った農園の方がとても親切で、
すぐに食べたい私に、ムッキーちゃん(柑橘用皮むき器)で切れ込みを入れてくださいました。
そのご縁から後日、文旦を取り寄せることに。

口にすると、ほどよい酸味とやさしい甘みのバランス。
噛むたびに広がる、軽やかな柑橘の香り。
えぐみまでも爽やか。

さっぱりとしていて重たさがなく、
つい手が伸びてしまい、いくつでも食べられてしまう美味しさです。


文旦の薬膳的なはたらき

  • 四気五味:甘味・酸味/寒性
  • 帰経:胃・肺

の性質を持ちます。

胃に働きかけることで消化吸収を助け、
弱った消化機能をやさしく整えます。
また肺に作用し、呼吸や水分代謝にも関わります。

甘味は脾(消化機能)を補い、
体にうるおいを与えながら緊張をゆるめる作用。

酸味は発散しすぎる気や体液を引き締め、
バランスを整える「収斂(しゅうれん)」の働きがあります。

さらに寒性は、体にこもった熱を冷まし、ほてりやのぼせをやわらげます。


文旦の薬膳的効果

文旦は、特に

・疲れやすい、めまいがある
・食欲がわかない
・お腹の張りやむくみ、下痢が気になる

といった「脾気虚」の状態におすすめです。

また、

・咳が出やすい
・痰が多い

といった肺の不調にも。

さらに、飲み過ぎや食べ過ぎで重たくなった体を、
すっきりと整えてくれるのも特徴です。


春の養生

中国最古の医学書とされる「黄帝内経」 では、
春は「万物がのびやかに成長する季節」とされています。

冬のあいだ内に蓄えていたものが、
外へ外へと広がり、芽吹いていく時期。

人の体も同じように、気や血の巡りが活発になり、
心や体が動き出す季節です。

この時期に関わるのは「肝」。
気の巡りをコントロールする働きを持ち、
バランスが崩れると、イライラや気分の落ち込み、
胸やお腹の張りなどの不調として現れやすくなります。

そのため春は、
「巡らせる・発散する」ことが養生のポイント。

香りのよいものや、適度な酸味のある食材は、
そんな春の養生にぴったりです。

体を冷やす性質があるため、冷えやすい方は食べる量を少し意識して。

春のゆらぎを感じたときに、取り入れてみてはいかがでしょうか。

日曜市で出会った、片山農園様(Instagram

また来年のお楽しみ。