漢方養生うらら香

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コラム

コーチングとはどのようなもの?

コーチングと聞くと、スポーツのコーチが思い浮かびやすいと思います。
しかしスポーツのコーチは指導をしますが、コーチングのコーチは指導をしません。
クライアントが目標を達成するために自ら考えて行動できるよう、きいて・承認して・問いかけて・フィードバックするなどのコーチングスキルを使いながら、GROWモデルという基本の型などを用いて答えを引き出していきます。

GROWモデルとは、
GOAL       ゴール(目標)
REALITY/RESOURCE 現状、資源
OPTION      選択肢
WILL        意志
の頭文字をとったもので、コーチングの代表的な手法です。

ゴールを設定しゴールにいる自分の理想の状態を想像していきます。そして現状を把握し、その差を埋めるためにどんな資源(自分の資源や周りの人の資源)が使えるか掘り起こしていきます。そしてゴールするための選択肢をたくさん上げていき、自分の意思で選んでゴールに向かって取り組んでいきます。コーチはこのプロセスに新しい気付きをもたらしたり、視点を増やしたり、考え方や行動の選択肢を増やしたり、目標達成に必要な行動を促進したりするための効果的なコミュニケーションを取っていきます。

 

コーチング体験談

私がコーチングを受けた体験談を、ほんの一部ですがGROWモデルに沿ってお話しします。

目標(ゴール)

私のコーチング始めたばかりの頃の大きな目標(ゴール)は「漢方カウンセリングを仕事にすること」でした。
本当にこの目標を達成したいのか?それはなぜか?達成した自分はどのような気持ちになっているか?など、コーチからの様々な問いかけでゴール自体を掘り下げていきます。コーチにきいてもらうことで、具体的にやりたいことがどんどん引き出されていきます。私はコーチとの対話の中で、目標だった「漢方カウンセリングを仕事にすること」が、「女性のライフステージに寄り添い、女性がやりたいことを体調を理由に諦めなくて良い身体づくりを、漢方や薬膳やコーチングでお手伝いしたい」に具体化し、ゴールへの想いが強くなりました。

クラウドファンディングのMakuakeにも私の想いを具体的に書かせていただきましたが、これは目標を掘り下げることで、目標に対するプロセスを一つずつ大事に考えてきたから、それをコーチと言語化してきたから書けたのだと思います。

現状

現状はどうか上げていきます。たくさんある中で一つだけ上げると、「不安な気持ちが大きい」ということ。
(この対話の目標(ゴール)は細分化され、小目標「不安を安心に変えたい」に取り組みます。)

コーチに問いかけてもらいながら「不安な気持ち」について掘り下げていきます。
不安な気持ちを色々話していく中でコーチにもらった印象的なフィードバックは、

というものです。
コーチからは見えていて、私が見えていない部分をフィードバックで知り、ハッと気付きました。

「自分に対して厳しく、できないことにフォーカスする考え方の癖」が自分を不安にしているんだな。

このようにコーチの質問フィードバックなどのコーチングスキルから、自分では気付いていなかった潜在的な気持ちも導き出されていきます。自分でも知らなかった(潜在的だった)ことが出てくると、自分を出し切ったぞ!という想いが達成感につながったり、充実感につながったり、自信につながったりしていきます。

資源

資源はどのようなものがあるか。資源とは、自分自身が今まで培ったスキル、経験、人脈、情報、物の資源です。資源があることで、目標達成や課題の解決を早めるといった考えです。
私はもともと自分自身でやり遂げたい気持ちが大きいタイプで、人に助けてもらうという考え方に抵抗がありました(もちろん誰の助けも借りずに生きてきた訳ではありませんが)。しかし、意識して人の助けを得ることで、目標達成が早まるだけでなく、感謝の気持ち、お返ししたい気持ち、一層大きな達成感、人と一緒にいる感覚をもつことができました。

選択肢

選択肢、不安な気持ちを安心した気持ちにするための選択肢や行動案をコーチとの対話でたくさん出していきます。私の行動案の一つは他人からの「褒め言葉を受け取る」でした。

意思

意思:「褒め言葉を受け取る」と決めました。これは「出来て当たり前」という気持ちを手放すということでもありました。

私は褒めてもらっても「出来て当たり前」で、褒め言葉はお世辞だと捉えることが多くなっていたので、「出来ている自分」をいくつも上げていき、コーチに「当たり前じゃなくてスゴイことだ」とたくさんの承認をもらいながら丁寧に見ていきました。
また、日々の生活の中でも家族、職場、友人(資源)に褒めてくれる人がいたので、それを素直に受け取るというトレーニングもしていきました。
そうやって出来ている等身大の自分を認めて、自分を自分で受け入れていくことで、安心した気持ちが生まれてきました。
そうしていくうちに、褒め言葉も存在承認のひとつだと思えて、私も素直に人を褒められるようになったと思います。

 

コーチングを終えての感想

「漢方カウンセリングを仕事にしたい」—。ここには様々なハードルがあります。お店を持つこと、お金のこと、知識的なこと、中でもメンタル面はとても大きいと感じました。今回、不安を安心に変えたいという小目標「褒め言葉を受け取る」を取り組んだだけでも、「漢方カウンセリングをしていく」ための安心感を得られ、人とのつながりも深くなったように感じました。

 

長野市篠ノ井杵淵 典厩寺の桜